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お知らせNEWS
2024.11.22
伊藤新道~避難小屋建造プロジェクト~の進捗について
「伊藤新道~避難小屋建造プロジェクト~」におきましては日頃より多くの皆さまにご理解とご協力をいただき、ありがとうございます。 様々な事由により進捗が遅れておりましたプロジェクトについて、2024年11月現在の進捗状況をお知らせさせていただきます。
現状:
・小屋の設計図完成及び施工者選任
・国有林および国立公園内での設置に必要な手続き中(認可待ち)
・2025年初夏の工事に向けた調整
伊藤新道では2024年に入り、春の残雪期に崖の崩落による第三吊橋の損傷、夏には大水による第五吊橋が流されたこと、岩盤崩落による設置足場の損傷など、主に4箇所ある設置工作物のうち3つが相次いで損傷を受ける事象が続いており、事故等のリスクを最小化するため、新たな工作物の設置自体や適切な位置や仕様等についてあらためて慎重な検討を要してました。そのため進捗について当初より遅れが出ていること、お詫び申し上げます。再三にわたる検討・関係各所との協議の上、ようやく小屋建設についての目処が立ってまいりました。
工事(および完成)予定:
・2025年7月完成予定(工事予定:2025年5〜7月)
伊藤新道のベストシーズン(8月中旬)に先立つよう、三俣山荘等高山エリアにある山小屋がシーズン入りする頃に完工させたいと考えています。 行政の許認可が下りる時期によって多少ずれ込む可能性がありますが、8月には湯俣川の水量が落ち着いて伊藤新道の通行や整備に適したシーズンになりますので、7月中旬には完了を目指そうというところです。
利用とフィールド保全に向けて:
今後は、完成とその後に向けた運用の準備も同時に進めていきたいと考えております。 この小屋は、国立公園という自然のフィールドにおいて「保全拠点」として作業小屋の位置付けも有します。 緊急時には「避難小屋」としてお使いいただけるものとして整備しつつ、多くの皆さまと共に周辺の自然を未来に繋いでいくための保全拠点にもしていきたいと考えています。 昨年や今年には、伊藤新道通行者による焚き火跡、使用後のトイレットペーパーの放置・散乱、天然記念物である噴湯丘周辺の踏み荒らしなど、好ましくない事例が多数確認されておりますが、本プロジェクトの避難小屋が、単なる無人小屋ではなく、そこを目にする人たちや利用される方々と北アルプスの自然を楽しみながら守るためのシンボルのような作業拠点にもなればと考えております。
いずれにしましても、ご支援頂いた方々や本プロジェクトを楽しみにされている方々へのお知らせが遅れましたことをお詫びいたしますとともに、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
三俣山荘株式会社 伊藤敦子
写真:河谷俊輔